
妊娠39週目のママが知っておきたいこと|陣痛から入院までの進み方を詳しく解説
妊娠39週が終わると、出産予定日を迎えます。
長かった妊娠生活もあとわずか。ようやく赤ちゃんと対面できるときがやってきました。
いつ出産が始まってもいいように、出産の流れをもう一度確認しておきましょう。
ここでは、
- 妊娠39週目の赤ちゃんとお母さんの様子
- 陣痛から入院までの流れ
- 日常生活のポイント
について詳しく解説していきます。お産の流れを確認して、出産当日に備えましょう。
※本記事内の情報は一般的な知識であり、症状の自己判断を促すものではありません。気になる症状がある場合、まずは医療機関に相談しましょう。
Outline
1.妊娠39週の赤ちゃんとお母さん
妊娠39週になると、赤ちゃんとお母さんの体は出産に向けて準備を始めます。
お母さんは体調がつらい時期かもしれませんが、赤ちゃんと会える日まであと少しです。
出産前の赤ちゃんとお母さんの体の変化を見ていきましょう。
1-1.妊娠39週の赤ちゃん

妊娠39週の赤ちゃんは、女性ホルモン「エストロゲン」の影響を受け、性別に関係なく胸がふっくらとしています。
大きさは約50㎝、体重は約2500~3500g、体脂肪率は約15%と、もういつでも外に出られる赤ちゃんらしい姿になっています。
この時期の赤ちゃんは肺呼吸や体温調節の機能が完成しています。また、体を保護していた胎脂が剥がれてきます。
赤ちゃんはお母さんの骨盤近くまで下がり、出産に向けた体勢をとります。
このように赤ちゃんが下がってくると、胎動が少し穏やかになったと感じることも多いようです。
続いてお母さんの体の様子をご紹介します。
1-2.妊娠39週のお母さん

妊娠39週になると、大きなお腹が徐々に下がり、お腹に張りを頻繁に感じるようになってきます。
この時期のお母さんは
- 腰痛
- 恥骨の痛み
- 頻尿
- 不眠
などさまざまな症状に悩まされるかと思いますが、出産まであと少しの辛抱です。
また、出産が近くなると白くて水っぽいおりものが増えるなど、今までと違う体の変化を感じるようになります。
そのほか下記のような出産のサインがあります。
出産のサイン | 詳細 |
---|---|
前駆陣痛 | 子宮が収縮して不規則に痛みを感じます。すぐに痛みが引くならまだ本格的な陣痛ではありません。 |
おしるし | 赤ちゃんを包む卵膜と子宮の壁がこすれて少量の出血が起こります。おしるしがないまま陣痛が来ることも。 |
陣痛 | 赤ちゃんを外に押し出そうと子宮が収縮します。痛みの間隔が短く規則的になってきたら本格的な陣痛の始まりです。 |
破水 | 卵膜が破れて羊水が流れ出ます。通常は陣痛の後に破水しますが、陣痛より先に破水してしまう場合もあります。 |
前駆陣痛については、「妊娠36週のお母さん」でも詳しく解説していますので一度チェックしてみて下さいね。
おしるしは出産の数日前~前日に見られることが多いため、慌てて病産院に行く必要はありません。
一方、陣痛や破水の場合は迷わず病産院に連絡しましょう。
・尿漏れのようにチョロチョロと温い水が出る
・意識しても止められない
…上記の場合は破水している可能性が高いです。慌てずナプキンかタオルをあて、入院の準備をして車やタクシーで病産院に向かいましょう。
続いてこの時期に起こりやすいトラブルをご紹介します。
2.妊娠39週のトラブル
この時期に起こりやすい、3つのトラブルをご紹介します。
トラブル① 前期破水

陣痛が起こる前に破水することを、「前期破水」といいます。
破水したら細菌感染のリスクがあるので、すぐに病産院へ連絡しましょう。
「妊娠37週のトラブル」でも前期破水について紹介していますので、合わせてチェックしてみて下さいね。
トラブル② 逆子

ほとんどの赤ちゃんは出産の日までに自然に直りますが、「逆子」のまま出産になるケースも全体の3~5%といわれています。
赤ちゃんの姿勢によっては経膣分娩も可能ですが、赤ちゃんの頭や体を出すことが難しい姿勢の場合は「帝王切開分娩」になります。
トラブル③ 微弱陣痛

「微弱陣痛」とは、
- 陣痛が弱い
- 陣痛の時間が短い
など、赤ちゃんを押し出す力が足りない状態のことです。陣痛促進剤を使いお産を進めます。
微弱陣痛の場合、陣痛促進剤を使って人工的に強い陣痛を起こして出産を進めます。それでも出産が長引いて、経膣分娩が難しいと判断された場合は分娩中に帝王切開分娩に切り替えられます。
続いては39週目の過ごし方のポイントをご紹介します。
3.妊娠39週の過ごし方

妊娠39週はどのように過ごせば良いのでしょうか。
…の順にみていきましょう。
3-1.妊娠39週の妊婦検診

臨月の妊婦検診は週に1回のペースで行われます。
安心して出産に臨めるように、気になることは医師に何でも相談して少しでも不安を解消できるようにしましょう。
臨月の妊婦検診では、次のような流れで検査が行われます。
◆基本検査
・問診、触診、内診
・体重/血圧測定
・腹囲/子宮底長測定
・尿、むくみ検査
・超音波検査
◆妊娠後期の検査
・NST(ノンストレステスト)
…分娩監視装置を用いて赤ちゃんが分娩に耐えられるかを調べる
・血液検査
…血糖値や貧血、感染症の有無を調べる
・GBS(B群溶血連鎖球菌)
…妊婦さんが菌を保有している場合は感染防止の措置を行う
・骨盤X線検査
…「児頭骨盤不均衡」が疑われる場合は医師の判断により行う
NST(ノンストレステスト)や骨盤X線検査で異常が確認された場合は帝王切開分娩になることがあります。
また、今回の内診では医師の判断によって「卵膜剥離(らんまくはくり)」と言う陣痛を促すための処置が行われる場合があります。
通称「内診グリグリ」と呼ばれ、痛みや出血を伴う場合がありますが安全な処置ですので安心してください。
検診の持ち物については別記事の「妊娠8週目の妊婦検診」でも詳しく説明していますので、一度チェックしてみてくださいね。
続いて陣痛から入院までの流れを解説します。
3-2.陣痛から入院まで

陣痛が始まったら、どのタイミングで入院すればいいのか迷っている妊婦さんも多いのではないでしょうか。
ここでは、陣痛が始まってから入院するまでの順序をご紹介します。
突然の破水など緊急時の対処法も考えておきましょう。
①陣痛が規則的になる
陣痛の間隔が、
・初産の場合…陣痛の間隔は10分
・経産婦の場合…陣痛の間隔が15分
になったら入院の準備を始めます。
②病産院へ連絡
本陣痛が始まったら、まずは病産院へ連絡を。外出中や病産院が自宅から遠い場合は、もう少し早い段階で連絡しておきましょう。
③家族に連絡し、病産院へ
一人の場合、夫や両親など連絡できる相手に陣痛が始まったことを伝えましょう。その後荷物を持ってタクシーで病産院へ。
④入院
病産院に到着したら、医師からの問診があります。
・陣痛の間隔
・破水はしていないか
など状態を伝え、陣痛室または分娩室に案内されて出産の準備を始めます。
万が一、深夜や明け方に陣痛がきた場合の交通手段も考えておくと安心ですよ。
陣痛が10分間隔になってから子宮口が全開大になるまで、
- 初産の場合…平均10時間以上
- 経産婦の場合…平均4時間以上
といわれています。個人差はありますが、陣痛が始まったからといって慌てなくても大丈夫です。
落ち着いて準備して、病産院へ向かうようにしてくださいね。
清潔なナプキンをあてて、タオルを持ってすぐに病産院に連絡しましょう。出血や激しい腹痛などの緊急時は救急車を呼んでください。
入院時の持ち物については「36週目の出産準備のポイント」でもご紹介しています。こちらもぜひ参考にしてみてくださいね。
続いて出産方法の種類を詳しくご紹介します。
3-3.出産方法の確認
出産には
- 赤ちゃんが産道を通って産まれる経膣分娩
- お腹を切開して子宮から赤ちゃんを取り出す帝王切開分娩
の2種類の方法があります。
① 経膣分娩

なんらかの事情で帝王切開分娩を予定していない限り、通常は「経膣分娩」で出産します。
赤ちゃんがうまく出てこないときは、局所麻酔をして膣の出口から肛門の間の「会陰切開(えいんせっかい)」を行います。
局所麻酔を行うのであまり痛みはなく、通常は会陰部を縦に2~3㎝ほど切開します。切開後1~2日は痛みを感じますが、1ヶ月ほどで痛みは感じなくなります。会陰切開をせずに分娩し、裂けてしまった場合よりも回復は早くなります。
切開後はドーナッツ型の円座があると便利です。
② 帝王切開分娩

なんらかの理由で経膣分娩が難しいと判断されたときは「帝王切開分娩」で出産します。
- 事前に手術日を決める予定帝王切開
- 分娩当日の緊急帝王切開
の2種類があります。
帝王切開は一般的には脊髄から麻酔を投入し、下半身に局所麻酔を用いて行います。意識ははっきりしているので、赤ちゃんの産声を聞くことができまよす。
お腹を切ってから赤ちゃんが産まれるまでは3~5分で、おへその下を縦または横方向に切開します。
帝王切開手術はお腹を切開することもあって、経膣分娩よりも大変なイメージがあるかもしれませんが、決して危険な手術ではありません。経膣分娩に比べて産後の回復は少し遅く、切開した傷跡が気になりますが、赤ちゃんを元気に出産するためのリスクの少ない安全な出産方法です。
続いて日常生活のポイントを見ていきましょう。
3-4.日常生活で気をつけること
ここでは、出産前の日常生活で特に気をつけたいポイントをご紹介します。
◆体重増加に注意

出産直前に気をつけなくてはならないのは、体重の増加です。
「あと少しだから…」と気を緩めず、最後まで体重をしっかり管理しましょう。
妊婦検診で、高血圧・蛋白尿・尿糖がプラスになっている妊婦さんは妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病にならないよう食生活をしっかり見直しましょう。
また、糖分や脂肪分の多い食事は乳腺を詰まりやすくします。
産後母乳育児を考えている妊婦さんは、糖分や脂肪分の摂りすぎに注意しましょう。
◆適度な運動をする

お産には体力が必要です。また、陣痛を促進するためにも、予定日が近づいて来たら、医師と相談しつつ無理のない範囲でなるべく運動するようにしましょう。
臨月には次のような運動がおすすめです。
・ウォーキング(15分以上)
・スクワット
・階段の昇り降り
・ストレッチ
…など
体調が良くないときやお腹が張っているときの運動は避け、安産のためにもなるべく毎日体を動かすようにしましょう。
お腹が大きいときの座り方は、あぐらをかくのも良いといわれています。
しかし、
×正座を崩したような座り方
×足を組む
これらの座り方は骨盤の歪みの原因になるので避けましょう。
また、おうちでできる「安産エクササイズ」もおすすめです。こちらもぜひ参考にしてみてくださいね。
次は、臨月のお母さんに周りやお父さんがしてあげたいことをご紹介します。
4.お父さんや周りができること

出産直前で不安に感じているお母さんは、お父さんや周りの人のことをとても頼りにしています。
安心して出産の日を迎えられるよう、優しい言葉でお母さんのことを励ましてあげましょう。
①まめに連絡をとる
予定日が近づいたらお父さんは出来るだけこまめにお母さんと連絡をとるようにして、優しく言葉をかけて安心させてあげましょう。
②入院中にすることを確認
・産後の手続き
・ゴミ出しのルールなど家のこと
など、やるべきことを確認しておきましょう。
★ほかに小さい兄弟がいる場合は食事、アレルギー、送迎についても要確認
③仕事の調整
きっちりと予定を決めるのはなかなか難しいものですが、出産予定日の頃に合わせてなるべく仕事の調整をしておきましょう。
お父さんが仕事に行っている間に陣痛が始まってしまった場合、両親や家族を頼ることもあるかと思います。
出産当日、連絡をとりたい相手とはいつでも連絡がとれる状態にしておきましょう。
5.まとめ
妊娠39週について見ていきましたが、いかがでしたか?
この時期についてもっと詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてくださいね。
- 妊娠36週のお母さんと赤ちゃん|入院に必要なものリストからお産の呼吸法までご紹介
- 妊娠37週に知っておくべきこと|気になるトラブルから安産エクササイズまでご紹介
- 妊娠38週目のママと赤ちゃん|おしるしや破水など出産のサインを詳しく解説
- 妊娠40週目の赤ちゃんとママ|出産の進み方から陣痛を乗り切るコツまで全解説
- 妊娠10ヶ月のママが知りたいこと|出産のサインから誕生までを詳しく解説
出産間近で不安に感じることもあるかもしれませんが、赤ちゃんと会える誕生の瞬間を楽しみに、なるべくリラックスして過ごしてくださいね。
※本文中の内容は、時期によって公開時の情報とは異なる場合がございますのでご了承ください。