妊娠中にお母さんが食べたものの栄養で、赤ちゃんは大きくなっていきます。

でも、実際には何をどれだけ食べたらいいの?食べてはいけないものもあるのと迷ってしまことはありませんか?

そこでここでは、妊娠中の食事について、

  • 積極的に摂りたい食べもの
  • できるだけ控えたい食べもの

を中心に、無理なく上手に食事を摂るコツを分かりやすく解説していきます!

1. 妊娠中の食事とは

妊娠中の食事は、お母さんの体も赤ちゃんの体にも直接影響する重要なものです。そこでまずは、妊娠中の食生活の基本のポイント4つをチェックしましょう。

① 朝・昼・夜の食事をバランス良く

主食・主菜・副菜をバランスよくしっかり摂ることが大切です。特に、つい抜いてしまいがちな朝食は1日の原動力なのでしっかり食べましょう

バランスのいい食事の一例
・主食…ごはん・麺などの炭水化物
・主菜…肉・魚・卵などのタンパク質
・副菜…野菜・きのこなどの食物繊維

②  塩分は適量を守る

塩分の摂りすぎは、赤ちゃんの成長を妨げる「妊娠高血圧症」や腎機能低下の原因になります。

日本人女性の塩分摂取量の目標は1日7g未満です。妊娠中は特に減塩を心がけましょう。

③ 妊娠ステージに合わせた食事をとる

妊娠の段階ごとに気をつけるべき食事内容やポイントが変わっていきます。

◆初期
…つわりでものが食べられないときは無理をしない。食べられるものを少しずつでも食べる。
◆中期
…妊娠中毒症に注意して、高たんぱく・低カロリーなものをとる。
◆後期
…脂肪や塩分・糖分を控えて、産道に脂肪がつかないよう心がける。

自分の状態にあわせてチェックしてみてくださいね。

④ サプリメントに頼り過ぎない

サプリはあくまでも栄養補助食品です。まずはバランスの良い食事を心がけ、不足しがちな栄養素をサプリで補うような食生活を目指しましょう。

◆妊娠中の食事の基本まとめ

ここまででご紹介した、妊娠中の食事に関する基本をまとめました。

① 朝・昼・夜の食事をバランス良く
② 塩分は適量を守る
③ サプリメントに頼りすぎない
④ 妊娠ステージにあわせて食事をとる

妊娠中は、このようなポイントに気をつけながら食事をとりましょう。

続いて、妊娠中におすすめの食べ物についてご紹介します。

2. 妊娠中におすすめの食事

妊娠中の栄養はとにかくバランスが大事。中でも特に注目したい栄養素が6つあります

ここからは、これらの栄養素と多く含まれているおすすめ食材とおすすめのおやつについてご紹介します。

2-1. 妊娠中におすすめの食品

① 葉酸

葉酸は「水溶性ビタミンB群」の一種で、細胞や血を作るはたらきがあります。

胎盤の生成や赤ちゃんの先天異常リスクを低下させるなど、赤ちゃんの成長には欠かせない栄養素のため、妊娠初期は特に意識的に摂りましょう。

<多く含む食材と摂取できる量>
・菜の花…約340μg/1/2束
・ほうれん草…約210μg/1/2把
・ブロッコリー…約105μ/1/2株
・いちご…約90μg/5コ

ちなみに、葉酸は熱に弱く水に溶けやすいため、

  • 加熱は最小限にする
  • おひたしやお味噌汁など、汁ごと食べられる調理をする

…などといった工夫をしてみてくださいね。1日当たり400μg程度の摂取を心がけましょう。

葉酸を多く含む食材は、「葉酸を多く含む食品15選|妊娠・妊活中におすすめの食べ方やコツまで解説」でもご紹介しています。

② カルシウム

赤ちゃんの骨や歯を作るため、妊娠中は普段より多くのカルシウムを摂取しましょう。

不足してしまうと、赤ちゃんの成長を妨げるだけでなく、お母さんの骨密度が低下して肩こりや腰痛の原因にもなります。

またカルシウムは「妊娠高血圧症」の予防にも効果があるため、意識的に摂りたい栄養素ですね。

<多く含む食材と摂取量>
・牛乳…約220mg/コップ1杯(200g)
・ヨーグルト…約120mg/1食分(100g)
・干しエビ…約355mg/1食分(5g)
・乾燥ひじき…約70mg/1食分(5g)

妊娠中は、1日当たり700mg程度の摂取を心がけましょう。クエン酸を含むお酢やレモンとあわせてとると、吸収率がアップしますよ。

ただし製造時の加熱・殺菌が不十分な場合があるため、輸入品のナチュラルチーズは避けましょう。

③ 鉄分

ヒトの体の中で血液となる「鉄分」。

お母さんは、自分の血液に加えて赤ちゃんのぶんの血液も作る必要があるため、普段の3倍以上の鉄分の摂取が推奨されています。

鉄分が不足すると貧血になりやすくなるほか、赤ちゃんに酸素がいきわたらず成長障害の原因となってしまうため気をつけましょう。

<多く含む食材と摂取できる量>
・豚レバー … 約6.5g / 1食分(50g)
・あさり水煮缶 …  約11.3g / 半缶(30g)
・乾燥ひじき … 約2.8mg / 1食分(5g)
・小松菜 … 約4.0g / 1/2把

鉄分は、ビタミンCやタンパク質が豊富な食べ物と一緒に摂ると吸収率がアップします。妊娠中は1日当たりの必要量約20mg程度の摂取を心がけましょう。

コーヒーや紅茶などタンニンを含むものは吸収率を下げるので注意が必要です。

④ ビタミン

妊娠中には、葉酸以外にも積極的に摂りたいビタミンがあります。

  • ビタミンB6
    …皮膚や粘膜を丈夫にし、つわり軽減にも効果が。
  • ビタミンB12
    …葉酸と共に赤を作る他、神経や脳の働きを正常に保つ。
  • ビタミンC
    …免疫力を上げる。鉄分の吸収を助ける。

これらを多く含む食材と、1日当たりの推奨量は以下の通りです。

<多く含む食材と摂取できる量>
・ビタミンB6
鶏むね肉…1.4mg/1枚分(約200g)
・ビタミンB12
のり…2.8μg/2枚分(約4g)
・ビタミンC
キウイフルーツ…110mg/1個と1/2コ(約150g)

これらのビタミンは水溶性で尿などによって体内に出やすいため、摂りすぎによる過剰症の心配はほとんどありません。

色々な食べ物から、バランスよくたくさん摂るようにしましょう。

⑤ 食物繊維

妊娠中は便秘になりやすいため、食物繊維の摂取も大切です。

食物繊維には、水に溶けやすい「水溶性食物繊維」と水に溶けにくい「不溶性食物繊維」があり、これらは腸内環境を整え、便秘を予防・解消してくれます。

<多く含む食材と摂取できる量>
水溶性食物繊維
・ごぼう … 2.7g / 1/2本(約100g)
・オクラ … 1.6g / 10本(約100g)

不溶性食物繊維
・いんげん豆 … 2.0g / 1握り(約100g)
・おから … 5.5g / 1食分(約50g)

1日18g以上を目標に、水溶性と不溶性の食物繊維を1:2で摂りましょう。

水分や乳酸器、オリゴ糖が含まれた食品と一緒に摂ることで便秘解消効果がアップしますよ。

また妊娠中の便秘については「妊娠中の便秘の解消法|便秘になる4つの原因からお通じをすっきりさせる方法」もチェックしてみてくださいね。

⑥ たんぱく質

赤ちゃんの血液や筋肉、からだの主要な部分を作る上で欠かせないのがタンパク質です。

妊娠中、特に後期では1日当たりの必要量75g程度の摂取を心がけましょう。

<多く含む食材と摂取できる量>
・肉類(牛・豚・鶏など)
…豚もも肉 16.4g/1食分(約80g)
・卵
…6.5g/1コ(約50g)
・魚介類
…かつお 25g/切り身一切れ(約100g)
・大豆製品
…木綿豆腐 13g / 1/2丁(200g)

また肉類を食べるときは、なるべく脂肪が少ない部位を選びましょう。

ひとつの食品から連続してタンパク質を摂り続けると、赤ちゃんのアレルギー体質につながる可能性があるため注意が必要です。

◆まとめ

妊娠中におすすめの食品
① 葉酸
…菜の花、ほうれん草など
② カルシウム
…ヨーグルト、干しエビなど
③ 鉄分
豚レバー、あさり水煮缶など
④ ビタミン
…鶏むね肉、のりなど
⑤ 食物繊維
ごぼう、おからなど
⑥ タンパク質
豚もも肉、卵など

これらはどれか一つに偏ることなく、まんべんなく摂ることによってこそ本来の栄養が得られます。

バランス良く食べるよう心がけましょう!
(数値は「厚生労働省「妊婦のための食生活指針」、「2016オールガイド食品成分表」参照)

2-2. 妊娠中におすすめのおやつ

つわりなどで思うように食べられない時も、簡単につまめるものや甘いおやつなら食べやすいということもあります。

そういったときは無理をせず、身体がほしいと思ったものを食べましょう。

おやつ選びのポイントは、カロリーだけでなく「栄養」も摂れるものを選ぶことです!

《妊娠中におすすめのおやつ》
◆ナッツ類:
ビタミン豊富で貧血や便秘にも効果的。「素焼き」を選びましょう。
◆ドライフルーツ:
栄養価が高く噛みごたえがあるので満腹感・満足感が得られます。
◆ゼリー:
フルーツ入りがおすすめ。こんにゃくタイプは便秘にも◎。

つわりの時は、食べなくては!と無理をすると、それ自体がストレスになってしまいかねません。

まずは自分が食べたいと思うものを食べ、体の声に素直に従いましょう。

続いては、妊娠中に注意すべき食べ物についてご紹介します。

3.妊娠中に控えたい食べもの

ここでは、妊娠中のお母さんにとって、

  • なるべく控えたい食べもの
  • 食べてはいけないNGなもの

についてご紹介していきます。

3-1. 控えたい食べ物

◆お菓子やジュース類
・お母さんの体重増加につながる
・赤ちゃんの生育にも影響が出る
・妊娠高血圧症や妊娠糖尿病の原因にも
◆ジャンクフード、インスタント食品
・インスタント食品には、たくさんの塩分・添加物、カルシウムの吸収を妨げるリンが多く含まれているため控えられると◎
・どうしても食べたくなったときは、野菜などで足りない栄養を補う

お菓子やジャンクフード、インスタント食品はどうしても食べたくなったときに少しだけにしておきたいですね。

3-2. 食べてはいけないNGなもの

◆生の肉類・魚介類
・生肉に含まれる寄生虫が、流産や赤ちゃんの障害の原因に。
・マグロなど大型の魚には水銀の心配も。
◆生の卵
・食中毒による下痢や嘔吐で子宮収縮を引き起こすおそれがある。
◆ナチュラルチーズ
・リステリア菌の感染により流産や赤ちゃんの障害を引き起こす可能性が高まる。
◆アルコール
・胎盤を通じて赤ちゃんへ伝わってしまい、脳や体づくりに悪影響。

妊娠中のNG食品については、別記事「妊娠中に食べてはいけないもの|赤ちゃんのために知っておきたいリスクとは」で詳しく解説しているので、参考にしてみてくださいね。

続いては、何かと制約が多い妊娠中の食事をストレスなく楽しむコツについてご紹介します。

4. 無理をしない妊娠中の食事

妊娠中の食事は、これがイイ!あれはダメ!など気をつけることがいっぱい。でも、ぜんぶを完璧にする必要なんてないのです。

ここからは、妊娠中に大切な食事をストレスにしないためにも、省けるところは省いて上手に楽しめるコツをご紹介していきます。

4-1. 妊娠中の料理のコツ

妊娠中に長時間キッチンに立つのは辛いものですよね。上手に手抜きや時短料理を身につけると楽に済ませられます。

妊娠中の料理のコツ
✔︎ お買い物はネットスーパーを利用
妊娠中に重いものを持つことはリスク大!自宅まで届けてくれるサービスは積極的に利用しましょう。

✔︎ 時短食材で包丁を省略
そのまま食べられるプチトマト、もやしは最初から千切りの形、手でさけるお豆腐やキノコなどなど…包丁いらずの時短食材が便利です。

✔︎ 鍋料理を味方に
野菜やお肉などたくさんの食材を一気に食べられるお鍋は、栄養バランスが良く、体も温まり妊娠中にはぴったりです。

✔︎ 豪快な「◯◯だけ」料理は簡単で豪華
見栄え良くオーブンやセイロに並べて焼くだけ、蒸すだけ、煮るだけ料理が簡単&豪華でおすすめ。洗い物も減らせます。

✔︎ シンクに向かう時にはななめに立つ
おなかが出てきたらキッチンに当たらないよう姿勢を少し傾けると楽チンです!

特に鍋料理や「○○だけ」料理などは、作るのも片づけるのも楽なうえに満足感も得られるため、おすすめですよ。

4-2.コンビニ・外食のコツ

妊娠中はからだを休めることも重要。料理が負担になってしまう時には上手にコンビニや外食を利用しましょう。

必要な栄養が摂れるメニューの選び方をご紹介します。

① おにぎりは玄米、パンは全粒粉

どちらも白いものより茶色いものを選んで。ビタミンやミネラル・食物繊維を補給できる上、食べごたえがありよく噛むことで食べ過ぎ防止にも。

② 野菜はサラダよりもスープで

生野菜は妊娠中は特にからだを冷やす上に衛生上の心配も。スープの方がお野菜の量もたっぷり摂れておすすめです。

③ 単品の麺類や丼ものはできるだけ避ける

単品では栄養が偏ってしまうため、食べたい時は野菜スープなども一緒に選びましょう。少なくとも副菜2品以上、野菜類・豆類・海藻類も摂れるとベストです。

④ 塩分やカロリーなど栄養表示をチェック

最近のコンビニやファミレス等では栄養表示があるものも多いですよね。必要な食材のチェックや、塩分や脂肪分の摂りすぎ防止に役立てましょう。

こうしたポイントをチェックしながら、うまく外食をとり入れていきましょう!

4-3.食事のストレス回避のコツ

楽しみなはずの食事が、妊娠中はあれこれ考え過ぎて大きなストレスになってしまうこともあります。

ストレスは赤ちゃんに影響してしまうので、上手に解消していきましょう。

妊娠中の食事のストレス回避法
✔︎ 食べたいものは食べる
我慢しすぎのストレスも大敵!量や頻度には気をつけつつ、自分が気分良く過ごすためのご褒美も必要ですよね。

✔︎ サプリメントのサポートを
食事からの栄養が足りないなと感じた時はサプリで補うこともできます。過剰摂取はに注意しましょう。

✔︎ パートナーに協力してもらう
食事の用意が出来ないときは、旦那さんに外食をしてきてもらったり、テイクアウトをお願いしたり。お願いは具体的に伝えることが大事です!

✔︎ マタニティヨガをやってみる
ストレスにはヨガのリラックス作用が効果的です。骨盤を整え安産ケアにも良いそう。トライする前に主治医に確認を。

 

こうした工夫で、ストレスをなるべく溜めない生活を心がけましょう!

5.まとめ

いかがでしたか?
妊娠中の食事は確かに大事ですが、ナーバスになり過ぎずいくつかの原則を守って楽しめば良いことが分かって頂けたでしょうか。

食べたものでからだは出来ています。自分のためにもおなかの赤ちゃんのためにも栄養バランスを見直してみてくださいね。

この他「妊娠初期にいい食べ物&NG食品|赤ちゃんを守る4つのルール」「つわりを楽にする食べ物11選|吐き気を抑えて栄養も摂れるおすすめ食材」なども、妊娠中の食事を考える時には参考にしてみてくださいね。